
「この土地で、家族が腰を据えて生きていく姿が見えるか。」
私たちは、新しい土地に出会うたび、計算機を叩く前にまず、その場所の空気を吸い込み、未来の日常を想像することから始めます。熊本市中央区渡鹿(とろく)。静かな住宅街の中に佇む「pia・マーブル」の企画も、そんな地道な視察から産声を上げました。
今回は、利回りや効率だけでは語れない、この土地だからこそ選んだ「3LDK・全戸ファミリー仕様」という決断の背景をお話しします。
現地に立ったとき、まず感じたのは「街の穏やかさ」でした。 渡鹿エリアは、市街地へのアクセスが良好でありながら、大通りの喧騒からは一歩引いた落ち着きを持っています。周辺には学校や公園が点在し、歩く人々の歩幅もどこかゆったりとしている。
最近の賃貸マンション経営では、効率を重視して1LDKや2DKを敷き詰めるのが定石かもしれません。しかし、この場所で求められているのは、忙しく過ぎ去る単身者の仮住まいではなく、地に足をつけて暮らす家族の器ではないか。そう直感しました。
私たちが導き出した答えは、全戸を「3LDK(約68㎡)」に統一することでした。 これは、現代の賃貸市場においては少し勇気のいる判断です。部屋数を増やせば総賃料は上がりますが、私たちはあえて、一戸あたりのゆとりを優先しました。
なぜなら、子育て世代にとっての最大のストレスは「手狭になることによる引越し」だからです。 子どもが成長しても、荷物が増えても、この部屋ならずっと暮らしていける。そんな「住み替えなくていい理由」を作ることが、結果としてオーナー様にとっての「長期安定稼働」に繋がると考えたのです。
外観は、住宅街に馴染みつつも品格を感じさせるタイル貼り。設備には、分譲マンションに引けを取らないシステムキッチンや、防犯カメラ、オートロック、そして今の時代には欠かせないインターネット無料設備を完備しました。
しかし、私たちが本当に大切にしているのは、目に見える設備だけではありません。 「ペットと一緒に暮らせる」という選択肢を設けたのも、家族の一員としての生活を尊重した結果です。建てた瞬間の満室を目指すのではなく、数年経っても「ここに住み続けたい」と思われるための余白を、設計の随所に散りばめています。
もしこの土地が、東海学園前駅の目と鼻の先で、学生や単身者が絶えず行き交う商業性の高い場所だったなら、私たちはこの企画を選ばなかったでしょう。その場合は、回転率を重視したコンパクトなワンルームを提案していたはずです。
しかし、ここは駅から徒歩13分。少し歩くからこそ手に入る、静かな住環境があります。 この「絶妙な距離感」こそが、ファミリー層にとってはメリットに変わる。土地の個性を無視して、どこにでもある成功パターンを当てはめることは、将来的な空室リスクを招くことになりかねません。
竣工後、「pia・マーブル」には私たちの想像通り、お子様連れのご家族や、将来を見据えた新婚の方々が集まりました。募集開始からの埋まりの早さよりも、私たちが嬉しかったのは、入居された方々の「定着率」です。
賃貸経営の真の成功は、満室にすることではなく、満室の状態をいかにストレスなく持続させるか。 良質な入居者が長く住んでくれることで、建物の傷みは抑えられ、管理の手間も最小限になります。それは巡り巡って、オーナー様の資産価値を守ることに直結するのです。
Q. 3LDKだと、1LDKをたくさん作るより利回りが下がりませんか? A. 表面上の利回りは、戸数が多い方が高く見える場合があります。しかし、ファミリー物件は入居期間が長く、退去時の原状回復費用(入れ替えコスト)が劇的に抑えられます。10年、20年のスパンで見れば、実質的な手残りはファミリー物件の方が安定するケースも多いのです。
Q. 「ペット可」にすると、建物が傷んだりトラブルが増えたりしませんか? A. 適切な飼育ルールの設定と、それを受け入れるための仕様(消臭や傷に強い素材など)を企画段階で盛り込むことで、リスクはコントロール可能です。むしろ、ペット可物件は供給が少ないため、強力な差別化要因となり、退去抑止に大きく貢献します。
Q. 企画だけでなく、その後の管理まで任せる意味は何ですか? A. 「企画した人間」が「管理」も行うことで、入居者の生の声が次の改善に直結します。私たちは現場のリアルを知っているからこそ、空室が出た際も「なぜ空いたのか」を正確に分析し、すぐに手を打つことができます。
Q. 私の持っている土地でも、同じようなファミリー企画は通用しますか? A. 全く同じ正解はありません。今回の渡鹿の事例は、あの場所、あの環境だったからこそ成立したものです。土地の形状、道路の付き方、近隣の需給バランスをゼロから紐解き、その土地にとっての「唯一無二の正解」を一緒に探すのが私たちのスタイルです。
「pia・マーブル」という一つの形が、すべての土地にとっての正解だとは思いません。 ある土地では単身向けが正解かもしれませんし、ある土地では建物を建てないことが最善かもしれません。
大切なのは、その土地が持つ「声」を聞き、何十年先も愛される風景を想像すること。 もし、ご自身の土地の未来に迷いがあるのなら、まずは損得勘定を一度脇に置いて、その土地の「物語」を私たちと一緒に考えてみませんか。
まずは、土地のお話から聞かせてください。
pia・マーブル
熊本県熊本市中央区渡鹿6丁目2-22
JR豊肥本線/東海学園前駅 歩13分
平成31年2月
鉄筋コンクリート造/地上10階建て
3LDK 68.87㎡
南向き
専用浴室/バス・トイレ別/洗濯機置場室内/洗濯機置場/給湯器(追焚あり)/給湯/ 追焚き機能付き/シャワー/浴室乾燥機付き/洗髪洗面化粧台/独立洗面台/温水洗浄便 座/システムキッチン/カウンターキッチン/プロパンガス/ガスコンロ設置済/コンロ 3口/冷暖房/インターネット対応/CATV/BSアンテナ/CSアンテナ/オートロッ ク /TVドアホン /下駄箱 /クローゼット/バルコニー/出窓/フローリング/角部屋/ エレベータ/外壁タイル貼り/専用キッチンあり/インターネット無料/ウォークイン クローゼット/インターネット無料/暖房便座/防犯カメラ/トイレ付き/ペット可