
土地には、それぞれ「ふさわしい時間の流れ」があります。
「サンフォリア下南部」というプロジェクトを振り返るとき、私たちが真っ先に思い出すのは、あの穏やかな住宅街の空気感です。利回り計算を始める前に、まずその場所に立ち、そこで営まれるであろう日常を想像すること。それが私たちの企画の原点でした。
熊本市東区下南部。 初めて現地を訪れたとき、真っ先に感じたのは「静けさの質」でした。 大きな商業施設がひしめく喧騒からは一歩離れ、かといって不便なわけではない。生活の道具が手の届く範囲に揃いながら、家路につく頃にはしっかりとスイッチをオフにできる。そんな「暮らしを慈しむための場所」という確信がありました。
多くの企画では、こうした住宅地において、とにかく戸数を確保するために単身者向けのワンルームを詰め込みがちです。しかし、私たちはあえてその道を選びませんでした。この土地が求めているのは、使い捨てられる住まいではなく、人生のステージが変わってもなお選ばれ続ける「器」だと感じたからです。
私たちが導き出した答えは、2DKと2LDK。 ターゲットは、共に歩み始めるカップル、あるいは幼い子供を育てる若いファミリーです。
今の賃貸市場では、少し手狭になるとすぐに「引越し」が選択肢に上がります。しかし、それではオーナー様にとって退去コストがかさみ、賃貸経営が安定しません。 「ここなら、もう数年長く暮らせるかもしれない」 そう思っていただけるような、ゆとりある間取り。例えば、ライフスタイルに合わせて使い方を変えられる可変性や、家族の成長を受け止める収納の工夫。 「住み替えなくていい理由」を間取りの中にそっと忍ばせること。それが、巡り巡ってオーナー様の資産を守ることに繋がると考えました。
設備についても、過剰な豪華さは追っていません。 代わりに重視したのは、数年後、十数年後も古びない質実剛健さです。流行の設備は数年で陳腐化しますが、使い勝手の良い動線や、掃除のしやすさといった本質的な価値は、入居者の「定着」に直結します。
私たちは、建物を建てて終わりだとは考えていません。 むしろ、建物が竣工し、最初の灯りがともった瞬間からが本当の始まりです。入居者がこの部屋に愛着を持ち、丁寧に暮らしてくれること。その心地よい空気が、建物全体の「格」を作り上げ、長期的な入居率の安定という果実をオーナー様にもたらします。
もしこの土地が、もっと駅に近い繁華街だったなら。 あるいは、幹線道路沿いの騒がしい場所だったなら。 きっと私たちは、2LDKという選択はしなかったでしょう。もっと利便性に特化した、回転の速い単身者向けプランを提案していたはずです。
「サンフォリア下南部」が成功したのは、下南部というエリアが持つ「落ち着いた住宅地」としてのポテンシャルと、私たちの企画が寸分の狂いもなく噛み合ったからです。土地の性格を無視して、ただ「今流行っているから」という理由で型に嵌めることは、土地に対しても、オーナー様に対しても、誠実な態度とは言えません。
現在、この物件では私たちが当初描いた通り、落ち着いた層の入居者が暮らしを営んでいます。 募集の際も、単に「埋まればいい」というスタンスではなく、長く住んでいただける方かどうかを、管理の視点から丁寧に見極めました。 結果として、入居者の定着率は非常に高く、管理の手間も最小限に抑えられています。派手な数字ではありませんが、着実に、そして静かに時を刻む経営。それこそが、私たちが目指した姿です。
Q. 利回りを最優先にするなら、もっと戸数を増やした方が良かったのでは? 表面上の利回りを追うなら、戸数を増やすのが正解です。しかし、戸数が増えれば退去リスクも増え、数年後のリフォーム費用が収益を圧迫します。私たちは「10年後の手残り」を考えたとき、あえて戸数を絞り、質の高い入居者に長く住んでもらう方が、最終的な資産価値は高まると判断しました。
Q. 2DKや2LDKは、単身者向けより入居が決まりにくいイメージがあります。 確かにワンルームに比べれば、検討する方は慎重です。しかし、一度気に入っていただければ長く住んでくださるのもこの層の特徴です。一過性の人気ではなく、周辺にライバルが少ない「広めの間取り」という希少性を突くことで、安定した需要を確保しています。
Q. 管理まで同じ会社が関わる意味は何ですか? 企画した人間が、そのまま管理に携わる。これによって、「なぜこの設備にしたのか」「どんな方に住んでほしかったのか」という意図が現場まで浸透します。入居者様とのコミュニケーションに企画の思想が宿ることで、建物のブランドが守られます。
Q. 私の土地でも、同じような2LDKの企画が通用しますか? 正直に申し上げれば、全ての土地で通用するわけではありません。地形、道路の付き方、隣地の状況、そして街の歴史。それらによって正解は180度変わります。私たちは「サンフォリア」の成功体験をそのまま持ち込むのではなく、あなたの土地の「声」を聞くところから始めたいと思っています。
土地活用に、万能な正解はありません。 あるのは、その土地の個性をどう引き出し、誰に幸せな暮らしを提供するかという「選択」だけです。
「この土地で、何ができるだろう」 そう思われたなら、まずは難しい数字の話は横に置いて、その土地のこれからについて、私たちと語り合ってみませんか。
サンフォリア下南部
熊本県熊本市東区下南部3丁目9-50
JR豊肥本線/竜田口駅 歩28分
2014年3月
鉄筋コンクリート造/地上4階建
1・5号室 60.12㎡/2号室 46.25㎡/ 3号室 50.87㎡
南東
専用浴室/バス・トイレ別/洗濯機置場室内/給湯器(角部屋のみ追焚き機能付)/シャワー/洗髪洗面化粧台/温水洗浄便座/システムキッチン/カウンターキッチン/プロパンガス/ガスコンロ設置済/エアコン/オートロック /TVドアホン /収納3間以上/下駄箱 /クローゼット/ウォークインクローゼット(角部屋のみ)/バルコニー/出窓/フローリング/エレベーター/駐車場2台(台数制限あり)/インターネット対応予定/BSアンテナ/CSアンテナ